この記事では、CB缶とOD缶の違いや特徴を説明したのち、冬にキャンプをしない方はCB缶で充分だということを説明します。
- キャンプを始めるから、バーナーを買おうかな
- どうやらCB缶とOD缶がある。どっちがいいの?
こんな疑問を抱えている方は多いかと思います。
CB缶とOD缶、火をつけるという役割は同じですが、性能は全く違います。
季節や状況によってその使い分けができていないと無駄にお金がかかってしまったり、本来の機能を十分発揮できない事態に陥ります。
結局CB缶とOD缶どっちを使えばいいの?という疑問の答えは「冬にキャンプしないならCB缶で充分」です。
というわけで、今回は各ガス缶の特徴と使い分け方をまとめました。
今回わかることはこの3つ。
- CB缶とOD缶の違いと共通点
- 各メーカーごとの違い
- 氷点下になる季節にキャンプしないならCB缶で充分
この記事を読めば、CB缶とOD缶の違いが理解でき、自分に適したカートリッジはどちらか分かるはずです。
それでは、解説していきます。
CB缶・OD缶の基本情報
まず、CB缶・OD缶(ガス缶)の知っておいてほしい基本情報を解説します。
- ガス缶で火が付く仕組み
- CB缶・OD缶の中身
ガス缶の仕組み
ガス缶の中には燃料となるガスが液化した状態で入っています。
端的にいうと、でっかくて点火できないライターみたいなもの。
中身の液体ガスは大気中に放出すると気体になりますが、ガス缶やライターの中では圧力がかけられてグッと押さえつけられているので液体もまま姿を保っています。
ガス缶にバーナーやランタンをつけると気化した燃料がシューっと音を立てて放出されます。
それに火花で火をつけて着火させるというわけです。
CB缶・OD缶の中身
キャンプをやらない人も知っている「CB缶」
これはCB缶です。
CB缶はカセットボンベ缶の略で、居酒屋等でも見ることがあるので多くの人が知っているでしょう。
アウトドアっぽい!「OD缶」
OD缶は「アウトドア缶」の略です。こちらはキャンプに馴染みのない人は見たことないですね。
寒いときでも十分に火がつくように設計されています。
またCB缶とOB缶に互換性はありません。
CB缶用の器具はOD缶では使用できなくて、その逆も然りです。
CB缶とOD缶は形だけでなく内容物が違う!
内容物の説明をしますが、ちょっと複雑になるので、結論だけを求める方は飛ばしちゃってください。
CB缶とOD缶には沸点の違う3種類のガスが使用されていて、その配合具合が違います。
以下3種のガスの配合具合で寒冷地仕様かそうでないかが決まります。
物質名 | 化学式 | 沸点[℃] | 蒸気圧[hPa・20℃] |
ブタン | C4H10 | -0.5 | 2,213 |
*イソブタン | C4H10 | -11.7 | 3,113 |
プロパン | C3H8 | -42.09 | 8,513 |
一番沸点が低いのがプロパンPP(42.09℃)で次がイソブタンIB(-11.7℃)、最後にブタンNB(-0.5℃)です。
つまり、プロパンやイソブタンの割合が多いほど寒くても気化しやすく、火力を保てます。
仮にブタン100%のガス缶だと、-0.5度を下回ると缶の中で液化したガスが気化しないため火がつけられません。
また、ガスは使用していると気化熱を奪うので温度が低下していきます。使用していくうちに温度が下がり、ガスの火力が弱々しくなることもあります。
さて、次はメーカー毎の内容物の違いを詳しく説明していきます。
簡単のため、ブタン=NB, イソブタン=IB, プロパン=PPとします。記載無しは○で表します。
● CB缶の中身
メーカー | NB[%] | IB[%] | PP[%] |
snow peak(銀) | 100 | – | – |
snow peak(金) | – | 100 | – |
soto(レギュラー) | 100 | – | – |
soto(パワー) | – | ○ | ○ |
uniflame (プレミアガス) |
– | 95 | 5 |
家庭用(100均) | 100 | – | – |
snowpeakの銀缶やsotoのレギュラーを使うなら、ガスが同じな100均の安いやつで十分ですね。
● OD缶の中身
温暖地用、低地用ガス
メーカー | NB[%] | IB[%] | PP[%] |
PRIMUS (ノーマル) |
65 | 33 | – |
coleman (レギュラー) |
○ | – | ○ |
EPIgas (レギュラー) |
○ | – | ○ |
captain stag (レギュラー) |
100 | – | – |
オールシーズンガス
メーカー | NB[%] | IB[%] | PP[%] |
snow peak (銀缶) |
70 | – | 30 |
PRIMUS (ハイパワー) |
75 | – | 25 |
coleman (スーパー) |
– |
100 | – |
EPIgas (パワープラス) |
○ | – | ○ |
soto (トリプルミックス) |
○ | ○ | ○ |
captain stag (パワー) |
– | 100 | – |
寒冷地用
メーカー | NB[%] | IB[%] | PP[%] |
snow peak(金缶) | – | 65 | 35 |
PRIMUS (ウルトラ) |
○ | – | ○ |
EPIgas (エクスペディション) |
– | ○ | ○ |
mont-bell (ジェットボイル) |
– | ○ | ○ |
各メーカーで意外と特色ありますね。
PRIMUSのノーマルが、ブタンとイソブタンが配合されていていい感じ。
各メーカーのCB缶・OD缶、結局どれがいいの?
暖かい時期のキャンプはCB缶で十分
暖かい時期のキャンプではOD缶ではなく安い100均のCB缶で十分です。
理論上は100均のCB缶でも-0.5℃まで大丈夫です。(風や気化熱があるのでそうは行かないですが。)
気温が1桁のときは火力に不安が出るかもしれないです。
「年中CB缶」または「primus(ノーマル)、厳寒期の冬キャンのときは寒冷地用」
私が思うガス缶選びの結論は、キャンプスタイルによって違います。
- 冬にキャンプしない方なら、年中100均のCB缶
- 冬にもキャンプする方は、primus(ノーマル)と寒冷地用のやつどれかの使い分け
冬にキャンプをしない方はCB缶を使うといいですね。
冬にもキャンプする方は、節約の意味でもバーナーはどちらか片方だけ購入したいので、年中OD缶を使うのがベター。
中でもPRIMUSのノーマルは万能な配合比率で多少寒い日でも安心です。
寒冷地用はどれでもいいと思いますが、snow peakの金缶が配合比率が分かってていいですね。
ただ、CB缶よりOD缶の方が「アウトドアっぽい」。
OD缶はビジュアルもいいよね。
冬に上手にCB缶・OD缶を使うコツ
ただ、各ガスの沸点以上の温度で使えばいいというわけではありません。
気化熱で熱が奪われたり、風などの外的要因も火力を下げる要因です。
そこでガスを使うときのコツをまとめます。
- 風防をつける
- ガス缶をぬるめのお湯や体温で温める
風が吹くとせっかくの火が散ってしまうので、風防をつけると熱が逃げずに効率よくバーナーを使えます。
ガス缶カバーは効果がありそうですが、熱を遮断してしまいガス缶が冷えっぱなしになるので、火力を上げるのには無意味です。
まとめ:CB缶とOD缶はキャンプスタイルで使い分けよう
- CB缶とOD缶の違いと共通点
- 各メーカーごとの違い
- 氷点下になる季節にキャンプしないならCB缶で充分
キャンプには温度変化がつきものです。季節だけでなく、朝昼晩で温度が結構違ってきます。
それを考え、事前に道具を準備していくのもキャンプの楽しみの一つです。
今の時期に適したガス缶はどれか、考えながらキャンプの用意をしましょう!
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